「現場を責めても、不良品は減らない。」
あの日の金属バケツいっぱいの絶望から始まった、
ポン付けAIへの執念。

【私たちの使命】
日本の製造業のOSをアップデートし、世界と戦える体制を作る
代表者プロフィール:伊藤 慎一(いとう しんいち)
現場特化型IoT『匠の耳』 開発責任者【元・品質管理エンジニア】
まるいちDX代表の伊藤慎一です。
私は以前、水栓部品製作の企業で品質管理の職務に就いておりました。ノギスを使った寸法検査や、出荷前の全品チェックを日々行う中で、当時を振り返ると今でも鮮明に思い出す「光景」と、こみ上げてくる「憤り」があります。
「これ、何とかならないのか!」
数ヶ月に一度、必ず発生する「ビビり」などの加工不良による大量の不良品。出荷検査場に持ち込まれた部品をチェックした瞬間、不良品を捨てるための金属バケツが、一瞬にして満杯になります。修正もきかず、ただ廃棄するしか手段がないのです。
不良が大量発生したことを工場長に報告に行くのは私の役目でした。自分が悪者のように感じ、胃が痛くなる毎日。納品期日に間に合わせるため、現場はやり直しであたふたするばかりでした。 私は、部品を拾い集める現場の作業員に何度も言いました。「拾う時に、ちゃんとチェックしてください!」伝えた直後は良くなるのですが、時間が経てばまた元通り。何度も同じ悲劇が繰り返されました。
しかし、現場に深く入り込むうちに、私はあることに気づきました。「現場の作業員を一方的に責めるのは、無理がある」と。 彼らは何台もの機械を掛け持ちし、時間に追われながら部品を拾い集めています。目や腰を痛め、老眼に鞭打ち、蛍光灯の光が届きにくい薄暗い工場内で目視検査をしているのです。
開発の壁、そして「プレス機」との出会い
「人間の感覚や根性に頼るのではなく、客観的に異常を発見できる手立てはないのか?」 その強い思いから、私はAIとIoT技術を独学し、まずは原体験である「切削のビビり音」を検知するシステムの開発をスタートさせました。
しかし、現場で実証テストを重ねる中で、分厚い「鋳鉄ベッド」という巨大な物理的障壁にぶつかりました。配線工事なしの「ポン付け」で、機械の振動から微小なビビり音だけを正確に拾い上げるのは、当時の技術では困難を極めたのです。
開発が行き詰まっていたそんな折、私はプレス加工の現場が抱える「かす上がり」や「ピン折れ」による金型破損という、より深刻な悲鳴を耳にしました。 数百万円の損害が一瞬で発生する悪夢。しかし、ここで私は気づきました。 「プレスの巨大な打撃音から、金型が破損する瞬間の『パキッ』『メキッ』という強力な異常衝撃波だけを抽出することなら、自分が開発してきた『ピエゾ素子×ポン付け』の技術がドンピシャで活きる!」と。
現場が本当に使える形に「翻訳」する
そこからシステムをプレス機専用に全振りし、完成したのが異常音検知・後付けAIドラレコ「匠の耳」です。
世の中には、数千万円する立派なスマートファクトリーのシステムが溢れています。しかし、空調の効いた綺麗な工場で作られたシステムは、油まみれで泥臭い中小の現場では、使い物にならないことが多々あります。 私たちが目指すのは、魔法のような最先端システムを売ることではありません。「現場の痛み」を深く理解し、その痛みを解決するためのテクノロジーを、現場が本当に使える形(ポン付け・通知のみ)に翻訳して届けることです。
朝出社して、破損した金型と不良品の山を見る悪夢は、もう終わりにしませんか? 現場の人間関係を守り、工場長の熟睡を取り戻すために。私たちが全力で伴走いたします。
